帰国日 ハナウマ湾

私は朝に弱く、夜にも弱い。何かしないといけないことがあっても、眠気には勝てず、寝てしまう。今回も、前夜に京都王将から帰ってきたら、本当はパッキングをして翌日何をするか考えておくべきだったのが、寝てしまったというわけ。それで最終日。

パールハーバー。ダイアモンドヘッド。ノースショア。プランテーションヴィレッジ。ビショップ博物館。あるいはサーフィン、スキューバ、シュノーケルなどのアクティビティなど、いろいろ選択肢はあったのだが、4時半の飛行機だから、2時半には空港に行っておくべきだし、そうすると中途半端な時間が余る。

ひとり旅なので中くらいのスーツケースを使ったのが災いして、何度も詰めなおして、何とか山のように買ったお土産をスーツケースに入れて蓋を閉めようとしているうちに朝10時になってしまった。もう何もしなくていいや、と思ったけど、なにもしないでいるには4時間は長すぎる。

それで。

ハナウマ湾へ。美しい自然をひとめ見たくて来てしまいました。でも、時間がない。


保護区であるためか、浜辺に行く前にお金を取られた上に、「餌をやらないで」「魚には触らないで見るだけにしてね」というような内容のヴィデオを見せられた。もう帰らねばならないのに!

夢のように美しい海。みんながシュノーケルなんかを始める中、私は3分ほど海と戯れて、帰途についた。バス停で、バスは1時間以上来ないことがわかった。それでは飛行機に間に合わない。まずいなと思っていたら、5ドルでワイキキまで行くよ!と言っている乗合タクシーの運転手のおじさんがいたので、慌ててそちらへ駆けていった。
5人のお客さんを一人ずつおろして行って、最後は私だけになった。運転手のおじさんはおしゃべり好きで、昔1年だけ大阪に英会話教師として滞在していたことがあって、その時に知り合った日本人の女性と結婚したんだよと話してくれた。

ホテルで荷物を受け取って、バスに乗ろうとしたら、それも1時間くらい来ないという。どうしようーと思っていたら、乗合タクシーのおじさんが、自分のタクシーで良かったら乗せてくれるという。ジャンボタクシーに一人で乗るのは割高だけど、フライトに間に合わないわけにも行かないので、有り金をはたいて乗ることにした。

空港まで行くみちみち、運転手のおじさんに、奥さんは結婚後ハワイに来たんでしょ?と聞いたら、「Yes. Because she loves me.」と彼は言った。「Of course!」と私は言った。おじさんは「あんたは結婚しているのか?」と聞いたので、いいえ、と言ったら、「その選択も全然問題ないと思う。結婚なんてすることないさ。結婚がいいかどうか?So-soだね。俺の女房がどんなに怖いか!食事も自分の分だけ日本食を作って、俺は自分の分は自分で作るのさ」という話をしてくれた。それまでに持ってた日本人女性のイメージと彼女は違ったんじゃない?と聞いたら、アメリカ人と同じだね!と言っていた。ということで、結婚の現実を教えてくれた運転手さんというのが、私のハワイの最後の思い出となった。